小学生からのピル外来(生理外来)Q&A

大人もみてもらえますか?

はい。生理による不調はこどもから大人まで広く女性の悩みです。年齢にかかわらず、生理による体調不良でお困りの際にはご相談ください。

小学生からピルを飲んで大丈夫でしょうか

ピルと聞くと心配になるかもしれませんが、生理のつらさをやわらげたり、ホルモンのバランスを整える目的で使うことがあります。世界では多くの国で使用されています。小学生や中学生でも、体の状態に合わせて安心して使えるように、医師がしっかり説明とサポートをします。

ピル以外の薬の相談は可能ですか?

生理のコントロールはピルが必須ではありません。鎮痛剤や漢方薬の選択もあります。ピルを使うかどうかは無理に決めず、いろんな選択肢の中から一緒に考えていきましょう。

来月、旅行や受験のイベントがあります。生理が来ないようにできますか?

旅行や受験の直前に生理を移動する場合には中用量のピルが必要になります。当院では中用量ピルの処方は行いません。月経困難がある場合には早めに、できれば秋頃までに生理のコントロールを開始することをお勧めします。低用量ピルであっても体が慣れるまでしばらく時間が必要になることが多いためです。

ピルを飲むと副作用がありますか?

はい、ありますが、ほとんどは軽いもので、時間とともに落ち着いてくることが多いです。

ピルは体のホルモンバランスに働きかけるお薬なので、はじめのうちは体が慣れるまでに時間がかかることがあります。

以下のような軽い症状がよく見られます:

  • 吐き気(食後に飲むと軽減されることがあります)

  • 頭痛(軽いものが多いですが、強い場合はご相談ください)

  • 不正出血(服用開始から1~2ヶ月に見られ、ほとんどは自然におさまります)

  • 胸の張り

  • むくみや体が重く感じること

  • 気分の変化(イライラ・落ち込みなど)

これらの多くは一時的で、体がピルに慣れてくると軽くなります。これらの副作用があっても、薬をやめるかは一人で判断せずにご相談ください。副作用の種類によっては、ピルの種類を変えたり、飲み方を調整したりすることで楽になることもあります。
ピルが合わないと感じるときは、漢方薬や他の方法も含めて、一緒に考えていきましょう。


とてもまれですが、以下のような症状があるときはすぐに受診してください。

  • 足のむくみや強い痛み(血栓症のサインかもしれません)

  • 突然の息苦しさ、胸の痛み

  • 黄疸(肌や白目が黄色っぽくなる)

  • 強い頭痛や視界の異常(特に片頭痛のある方)

このような副作用はごくまれですが、心配なときは無理をせずご相談ください。

こどもでも副作用はありますか?

大人と同じように副作用が出る可能性はありますが、多くは軽くすみます。特に初めてのピルでは、医師が体調や体格に応じて適した種類や量を選びます。保護者の方と一緒に、体調の変化を見守りながら使用していきましょう。

ピルの内服で身長に影響はありますか?

ピルに含まれるエストロゲンは骨端線の閉鎖を促進する効果があります。しかし、生理が始まっているお子さんの場合には内服が身長には影響しないと報告されています。世界保健機構(WHO)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、生理
が始まれば使用可能としています。使用が不安な場合には、ピル以外の使用や、通称ミニピルのディナゲストという黄体ホルモンのみの薬の選択も可能です。

ピルが飲めないのはどんな場合ですか?

  • 血栓症のリスクが高い方

過去に血栓症(肺塞栓・深部静脈血栓症など)を起こしたことがある/家族に若くして血栓症を起こした人がいる/抗リン脂質抗体症候群/重度の肥満(BMI30以上など)

  • 高血圧・心臓・脳・肝臓の疾患

コントロール不良の高血圧/心筋梗塞・脳卒中の既往がある/重度の心疾患/重度の肝障害

  • 喫煙+35歳以上

タバコを吸っていて35歳を超えている方は、血栓症のリスクが大幅に上昇するため使用できません。

  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある場合
  • 授乳中(産後6か月未満)

エストロゲンが母乳に影響するため、通常はミニピル(黄体ホルモン単剤)を使用します。

  • 前兆(視覚異常など)がある片頭痛がある方

  • 50歳以上の方(40歳以上の方は慎重投与)

不正出血がある方はまずは産婦人科を受診してください。また、内服をしていても強い疼痛が続くような場合には産婦人科の受診をおすすめします

 
聴診器

子宮頸がん検査はできますか?

当院では子宮頸がん検査といった検査はできません。20歳以上の女性は定期的に子宮頸がん検査を婦人科で受診するようお勧めします。また小学校6年生から高校1年生までの方にはHPVワクチンを強く推奨します。

 

内診や超音波検査はできますか?

当院は産婦人科ではないため内診や婦人科疾患精査のための超音波検査はできまねます。薬を飲んでも痛みのコントロールが難しい場合には婦人科の受診をお勧めします。

ピルを飲むと将来の妊娠に影響しますか?

心配はいりません。ピルはやめると自然に体のホルモンが元に戻るので、将来赤ちゃんを望んだときに影響が出ることはほとんどありません。

避妊目的のピルの処方はできますか?

申し訳ありませんが、当院での処方は行っておりません。