当院は2017年よりこれまで多くのこどもたちの診察をして参りました。こどもたちの発達の相談を受けることが多くなり、最近では不登校のお子さんの悩みを聞くことも増えました。

 

 学校に行けなくなることは、お子さん本人にとっても保護者にとっても大きな葛藤があり、時にとてもつらい選択となります。経過の途中では頭痛やめまい、腹痛といった身体症状を伴うことも多いです。わたしたちは学校に行けないことは治療すべきこと・悪いこととは考えていません。多くのお子さんは学校という場所での特殊なルールや人間関係に適合しようとして頑張り、疲れ切り、そして傷ついています。しかし、現在不登校のお子さんの相談体制は社会全体で大きく不足しています。

 

 また、小児科の診療をしていく中で、保護者の方の負担の大きさを感じることも多くありました。子育ては楽しいことも沢山ありますが、しんどい場面も多々あります。夜泣きで眠れない日々がつづいたり、子育てに伴う状況の変化で職場やパートナーさんとの関係性の悩みがつづいたり。発達障害や不登校のお子さん、障害のあるお子さんを抱えている場合などはなお、どこにも発散できない「つらさ」を抱える時もあります。また、女性は生理や妊娠、出産、更年期と日々、ホルモン変化にさらされ、これは女性の心に大きな影響を与えます。残念ながら現代の日本は、家事育児の負担はまだまだ女性に偏っており、女性の心身変化の理解はまだまだ十分とは言えない状況です。

 

 そこで、当院では新たにこどもの発達、思春期、不登校のお子さんの心の診療にあたられてきたこどもの心専門医の鹿島京子医師と、心療内科専門医の浦川史歩先生を迎えて、これまでの発達外来を拡充するとともに、不登校を選んだお子さんのための外来(不登校外来)および、女性のための心療内科を開始することとしました。心療内科は子育ての有無に関係なく、気軽にご相談ください。

 

 これまで「そんなもの」「がまんするもの」として、やり過ごされてきた親子、女性の「つらさ」を少しでも軽くするお手伝いができればと思っています。

 

 

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担当医より

【発達外来・不登校外来担当】 鹿島京子 毎週水曜

 

 子どものこころの診療では、子ども自身とのコミュニケーションを大切にしていきます。

 

  子どもたちは、まだ未熟な存在であり、自分が何を困っているのか、どうしてほしいのかを、適切に言葉にして周囲に伝えることがうまくできません。学校に行かない理由を聞かれても黙り込んでしまったり、反対にちょっとしたことでイライラを爆発させて暴言を吐くといった反応が多いのではないでしょうか。子どもたちには、自分なりの思いや希望があり、自分のありのままを認めてほしいと願っている姿なのですが、親子間のコミュニケーションも難しくなり、親御さん自身がどう対応していいのか、わからなくなってしまうこともあると思います。

 

 不登校には、多くの子どもたちがたどる一般的な経過があります。その時間の流れの中で、どの子も必ず成長し大きく変化していきます。 今、その子が人生のどんな地点に立っているのか、今のこの時間にどんな意義があるのか、そういったことを子ども自身、さらに親御さんと共有しながら、ひとりひとりの成長をサポートしていきたいと思います。

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【心療内科担当】 浦川史歩 2023年11月~12月 不定期火水 2024年1月以降 火金

 

 女性を取り巻く環境はこの数十年で大きく変化しました。女性の社会進出がすすみ、未婚女性や結婚しても子どもを持たない選択をする家庭も増えました。 加えて、女性には月経困難症、妊娠に伴う体調不良、産後うつ、更年期障害など女性特有のトラブルがあります。しかしながら、女性の役割の多様化やライフステージの変化に伴う心身不調に対し社会の理解や支援はまだ十分といえない状況です。

 

 私たちは、女性のためのメンタルヘルス外来を通じて、皆さまの心の健康をサポートすることを使命としています。どんなお悩みやご要望でも、お気軽にご相談ください。私たちが全力でお手伝いいたします。 心療内科医として、皆さまの心身の健康をサポートすることを心から願っています。私たちの外来でお会いできることを楽しみにしております。

 

 

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案内

発達外来はこれまで、初診は小学校2年生までとしておりましたが、鹿島医師は初診は中学生までの方を対象とします。室伏医師の外来は引続き初診は小学校2年生までとさせて頂きます。

(継続的に診察される方の年齢の制限はございません。初診のみ制限をさせて頂いております。)