2024年6月1日から妊婦さん向けのRSウイルスワクチンの接種開始されます。
当院でも6月4日以降の接種を開始します。
RSウイルスの怖さを知らない小児科医はいないと思います。
特に、生まれて間もない時期、基礎疾患がある場合、早産で生まれたお子さんがかかると重症化して入院が必要となることも稀ではなく、命に関わることもある病気です。
このワクチンは妊婦さんに接種をすることにより、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守ることができる画期的なワクチンです。RSウイルスの発症を予防する効果は50%、重症化を予防する効果は80%と報告されています。
接種対象 妊娠24週から36週の妊婦(推奨は28週から)
接種回数 1回
接種方法 筋肉内注射
接種費用 35,000円(税込み)(現金もしくはクレジットカード)診察料等の追加費用はございません。
持ち物 母子手帳を持参頂けたら記録を記載します
予約方法
WEB予約
接種時間:月~土
一般診察時間 9:30~12:30 15:00~16:30
ワクチン専用時間 14:00~15:00
ワクチン専用時間には予防接種・健診のみの時間のため風邪等のお子さんとの接触を避けられます。
よくある質問
Q RSウイルスはどんな病気ですか?
A RSウイルスは風邪を起こすウイルスの一種です。2歳までにほぼ100%の人がかかると言われています。大人や年長児であれば、鼻水の多い風邪として終わることが多いです。0歳から2歳くらいまでの小さいお子さんの場合には、通常の風邪よりも痰がからんだ苦しそうな呼吸やゼイゼイした呼吸を起こすことがあります。特に、心臓や呼吸器に基礎疾患があるお子さんや、生後6か月未満のお子さんなどの場合には気管支炎や肺炎にすすんで重症化することがあります。
かつては毎年冬に流行する病気でしたが、最近は夏に流行することが多くなっています。
Q RSウイルスにかかった場合にはどうしたらよいでしょうか?
RSウイルスにに直接効くような薬はありません。基本はご自身、お子さん自身の免疫でよくなるのを支える治療を行っていきます。
Q こどものRSウイルスを予防するのにはどうしたらよいでしょうか?
現在RSウイルスを予防する手段としては
① 妊娠期間中にお母さんがRSウイルスワクチン(アブリスボ)を接種する
② 出産後にRSの予防注射(シナジス)を毎月一定期間投与する
③ 手洗いやマスク、換気等の感染予防対策を行う
などがあります。
シナジスの接種が可能なのは、基礎疾患がありRSウイルスに罹患した場合に重症化する可能性のあるお子さんに限られます。またシナジスの接種は流行期にあわせて行いますので、生まれた時期により、すぐに投与が開始されるわけではありません。
生まれてすぐから赤ちゃんを守る効果が期待できるのはアブリスボになります。
Q アブリスボを接種したらどれくらいで免疫ができますか?
母体にワクチンを接種すると、免疫が定着するのは接種後2週間くらいからと言われています。
このため接種後2週間以内にお子さんが誕生した場合には十分な免疫が届かない可能性があります。このため接種時期は妊娠28週から36週が推奨されています。
Q アブリスボの副反応はありますか?
接種部位の腫れ、痛みといった副反応は他のワクチン同様に報告があります。
当院で接種を終えた方の様子をみると、痛みはそこまで強くはない方が多い印象です。