渋谷区 初台・参宮橋にあるマーガレットこどもクリニックの院長の田中です。

 

10月からロタウイルスワクチンが定期予防接種の仲間入りが決まり、

私が研修医だったころと比べて、多くのワクチンが定期予防接種になりました。

病院勤務時代、毎年数人は診ていたヒブ・肺炎球菌の髄膜炎や菌血症、喉頭蓋炎は、開業以来1名も診ていません。

毎年冬はひどい下痢で入院する子がたくさんいましたが、今、すごく減っています。

ワクチンの有効性を肌で感じています。

 

 

一方、定期予防接種化より前の世代では、ワクチンの恩恵を受けられずに成人している人たちがいます。

また、現在の定期予防接種の仕組みでも、数年たつと免疫が落ちてしまい、再接種が必要になることもあります。

しかし、定期予防接種と異なり、用紙が保健所から送付されてこないので、自費のワクチンの必要性は認識されにくいものです。

 

新型コロナの流行がおさまりきらない中、ワクチンで防げる病気は一つでも多くワクチンで予防することが以前より一層大事になっていると考えます。

そこで、小児科学会の推奨に従い、当院でお勧めする自費ワクチンの一覧をここにまとめます。

 

 

平成28年4月1日以降にお誕生のお子さん向けおすすめ自費ワクチン一覧

 

現状のワクチンをすべて接種している場合

 

ワクチン推奨年齢価格 

おたふく

2回目

3−7歳¥5100罹患した場合の後遺症として難聴、男性不妊あり。1回目の接種は渋谷区の補助で無料で可能

3種混合(DPT)

5回目

年長¥5100

百日咳予防のため 

4回目までは4種混合として定期予防接種で終了

ポリオ

5回目

年長¥8200

罹患すると麻痺が生じる可能性あり。国内での流行はないが、海外からの流入の可能性がある。4回目までは4種混合として定期予防接種で終了

インフルエンザ

2回未定今年は重要性が増している。渋谷区では1歳以上中学校3年生までに助成あり。生後6か月より接種可能だが、1歳未満の有効性はそこまで高くはない。基礎疾患がある場合、保育園に通っている場合、兄弟が多い場合などは1歳未満でも推奨。当院は10月中旬より開始予定
 

 

    平成28年3月31日に以前にお誕生のお子さん・大人向けおすすめ自費ワクチン一覧

以下は接種が完了していない場合、もしくは幼児期には定期予防接種としては打つことができなかったお子さん・大人の方への推奨です(これまでにかかったことがない場合)

 

 

ワクチン必要数価格 

インフルエンザ

2回未定今年は重要性が増している。渋谷区では1歳以上中学校3年生までおよび、65歳以上の高齢者に助成あり。高齢者、基礎疾患のある人は特に推奨。当院は10月中旬より開始予定

高齢者の肺炎球菌

2回当院は扱いなし高齢者の肺炎球菌による肺炎予防。65歳以上は定期予防接種として接種可能。くわしくはこちら

MR

2回¥9200麻疹は罹患するとどの年齢でも致命的になる可能性あり。風疹は妊婦が罹患すると胎児に障害が残る可能性あり。未接種の場合には強く接種を水曜。風疹対策クーポン(男性)*および渋谷区の助成**を利用し、抗体検査後に接種も可能

おたふく

2回¥5100 罹患した場合の後遺症として難聴、男性不妊あり。日本では大人の抗体価の低下があり、今後成人での流行が懸念されている。

水痘

2回¥9200

日本ではまだ流行があり、罹患の可能性が十分あり。罹患すると治癒までおよそ1週間。また罹患すると高齢となったときに帯状疱疹になる可能性あり。

50歳以上では水痘ワクチンは帯状疱疹予防に有効。2016年より適応

B型肝炎

3回¥5100

肝炎、肝癌の原因となる。母子感染、性行為で感染。医療関係者を初めとする血液を扱う職業は必須。保育園やコンタクトスポーツなど濃厚な接触がある場合にも、感染の危険あり。有効性が高く全年齢で接種推奨

子宮頸癌予防

3回

¥16300

4価ワクチン

小学校6年生から高校1年生までは現在も定期予防接種で接種可能(2価・4価) 性交渉前の接種が望ましい。45歳までは一定の効果あり推奨。咽頭癌、喉頭癌、外陰部癌、陰茎癌、肛門癌の予防効果もあり、男女ともにに推奨。9価のワクチンが承認されたところ、販売はまだ開始されていない。

ポリオ

5回¥8200

生ポリオを2回接種された方は基本不要 不活化ポリオ接種が3回以下の場合は合計4回となるように接種。さらに、4回目から5年以上経過した場合、追加接種推奨。特に海外の流行地域への往来が多い方は必要。

3種混合

(DPT)

5回¥5100

小学校高学年、成人での百日咳(P)の流行が繰り返しあり。小学校入学前のDPTの5回目接種が推奨。

11歳以上13歳未満で接種るDT(2種混合)を接種するが、ここに百日咳ワクチンが含まれていないことが問題視されている。海外では思春期、成人、妊婦にTdap(成人用3種混合)を接種するのが主流。DPTは成人が接種すると接種部位の腫れが強く出る可能性あり。TdapはDPTと比べて局所の反応が起こりにくいようにジフテリア(D)抗原量を減らしてある。日本では残念ながらTdapは承認されていない。DTの代わりDPT(0.5mL)に変更することは可能。ただし、公費は使用できない。

破傷風(T)予防のため最終接種接種から10年経過した場合にはDTもしくはDPTの追加接種を推奨

* 国の風しんの追加的対策(クーポン)についてはこちら

**渋谷区の風疹抗体補助についてはこちら。抗体が低い方へのワクチン補助はこちら

ワクチンで防げる病気の詳しい情報はこちら

 

結局おすすめするのはこれ

インフルエンザ ワクチンを打ちたい方は多いと思いますが、

その他のワクチンはたくさんあって、分かりにくいですよね。

 

院長田中の独断で年齢別におすすめ自費ワクチンをあげます(インフルエンザ は除く)。

麻疹および風疹にかかったかどうかに分からず、2回のワクチン接種が終わっていない場合にはどの世代もMRの接種を強く推奨します。

 

この他に各世代での罹患率と接種率を考えると

・高齢の方:肺炎球菌、水痘、Tdap(3種混合)

・働き盛りの方:子宮頸癌、B型肝炎、Tdap(3種混合)

・思春期の子:子宮頸癌、B型肝炎、Tdap(3種混合)

・こども:おたふく、B型肝炎、3種混合・ポリオ

がおすすめです。

 

 

ワクチンスケジュールで困ったら、是非ご相談ください。

母子手帳をお持ち頂き、受付で提示頂ければ、未接種のもの、必要なワクチンをお伝えできます。