新型コロナウイルス感染に関連して皆様へのお知らせとお願い

 マーガレットこどもクリニックの院長の田中です。

 新型コロナウイルスの発生報告が増加しています。不安な思いでニュースを見ている方がほとんどだと思います。子どもたちについては報告数も少なく、報告されているほとんどが軽症で、重症例はごくわずかです。その点はご安心ください。日常的な予防としては手洗い、アルコール消毒、人混みを避ける、人と距離をとることなどが有効です。マスクは咳をしている方が、感染を広げないために有効です。

 

 一方、高齢者や持病がある方については重症化する可能性があります。新型コロナウイルスがヒトからヒトへ感染する力は、インフルエンザより少し強いことがわかっています。軽症例が多く、感染力が強いためにこのウイルスの感染をコントロールすることは非常に難しく、今後も感染者は増加する可能性が高いと私は考えています。

 

 新型コロナウイルスの診察をできる医療機関は限られています。患者数の増加とともに、全例を発見し隔離をする体制から、今後は軽症者は自宅安静をし、重傷者に治療を集中し、死者を一人でも減らす体制へと移行するはずです。

 

 子どもたちはしょっちゅう風邪をひきます。今後はその中の一つが新型コロナ感染である可能性は十分にあります。知らず知らずのうちに感染を広げてしまうことがないよう、特に重症化しやすい方にうつしてしまうことがないよう、保護者の方及び保育園・幼稚園・学校関係者の皆様へのお知らせとお願いです。

 

 

①少しの体調不良時でも高齢者・基礎疾患がある人との接触は控えましょう。

 お子さん及び保護者の方が微熱や咳、倦怠感などの体調不良の際には、ハイリスクと考えられる高齢者、基礎疾患のある方との接触は控えてください。かわいい孫とは必然的に接触も増えます。祖父母が高齢の方は特に気をつけてください。

 

②早めに休みましょう。

 お子さんが微熱や咳が続く際には、通常よりも早めに保育園・幼稚園・学校等を休むようにしてください。保護者の方の出勤も同様です。これは普通の風邪やインフルエンザを蔓延させないためにも有効です。

 

③新型コロナウイルスの診断目的の受診は控えてください。

 新型コロナウイルスの検査は、インフルエンザの検査のように簡便なものはなく、人手も時間もお金も必要な検査です。現時点では、普通のクリニックでは検査はできません。また、新型コロナウイルスを診察可能な病院でも、症状及び接触歴から疑わしいと判断されない限り検査は行いません。

 風邪症状があったとしても、症状が軽い場合には、自宅で安静にして過ごしてください。診断をつけるための受診により、新型コロナウイルス患者と接触する可能性もあります。逆に、高度医療が必要な基礎疾患を有する方にウイルスを感染させてしまう可能性もあります。患者が殺到することにより高度医療を行う医療機関が機能停止してしまう可能性もあります。症状が軽い場合には、なるべく人との接触をさけ、自宅で回復を待ちましょう。万が一新型コロナウイルスであったとしても、コロナウイルスに対する特効薬はなく、軽症の場合には風邪と同様に回復します。

 症状が重い場合、接触歴などから疑わしい場合には、まずは帰国者・接触者相談センターに連絡をしてください。渋谷区の方は渋谷区保健所(03-3463-3650)へ。

 

④風邪を早く治す薬はありません。

 「早く治したい」というお気持ちはよく分かります。しかし、風邪に対する薬は、インフルエンザの薬や、溶連菌に対する抗生物質などごく一部を除き、原因となる微生物に直接効果はありません。新型コロナウイルスも他の風邪同様、特効薬はありません。風邪を治すのは薬ではなく、人の体の免疫です。薬は症状を少し和らげる効果はありますが、早く治す効果は基本ありません。症状が軽い場合、風邪薬は不要です。保護者の方が見て大丈夫そうだと思う、お子さんの風邪症状での受診は不要です。水分をこまめにとり、食べられる範囲で食べ、眠るようにしてください。

 なお、ご心配な場合にはご来院ください。

 

⑤花粉症等の長期処方をご希望の方はお申し出ください。

  受診回数を減らすために花粉症薬などの慢性疾患に対する長期処方を行っております。ご希望の方はお申し出ください。

 なお、患者本人が不在の無診察診療はお断りをしております。また、今後の風邪を見越しての長期処方及び、旅行を控えての予防的な処方は保険診療では禁じられているため、できかねます。ご了承ください。

 

⑥保育園・幼稚園・学校関係者の方へ

 ● お子さんたちの医療機関への受診回数を最小限に減らすためにご協力ください。受診回数を増やすことにより、新型コロナはじめ他の疾患の罹患のリスクをあげます。

 インフルエンザが疑わしい場合でも、熱が出てすぐに、もしくは熱がないけれど咳や鼻水がある方に、インフルエンザ検査を勧めるのは控えてください。インフルエンザは熱が出て半日程度経過してからでないと陽性に出ないことが多いです。 

 胃腸炎の際に「感染性胃腸炎かどうか調べてきてください」と受診を促すことは控えてください。検査ができる胃腸炎はごく一部である上に、検査で確定しても治療方法は変わりません。当院ではこのためロタ・ノロウイルスの検査は行っておりません。

 

 ● 高齢者施設等、ハイリスク患者がいる場所への子どもたちの訪問は控えることを検討ください

 

⑦ 当院の体制についてのお知らせ

 当院でも体調不良のスタッフについては持病などを除き、積極的に休むように指導をして参ります。スタッフの体調不良の状況によっては、診療体制の縮小や休診の措置をとることもあります。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

新型コロナに対するQ&Aが小児科学会より出されています。

http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

ご参考になさってください。

 

2020/2/25  院長 田中純子