生理の「つらさ」に年齢は関係ない。『小学生からのピル外来(生理外来)』を始めます。

フローレンスこどもと心クリニックの院長の田中です。

「生理って、そういうもの」――わたしもそう思い込んでいました。

中学生のころは、生理のたびに腹痛と下痢で布団から動けず、当直中に白衣が出血で汚れたことも一度ではありません。
出産後は痛みこそ和らいだものの、出血過多に。貧血で階段を登るだけでも息切れし、なんとか仕事はしていたものの休日はただただ寝て過ごす日々でした。

それでも、「そういうものだから」と、我慢して過ごしてきました。


これは、医師であるわたし自身の体験です。
医学を学び、婦人科医の知人も多くいたにもかかわらず、「治療」という選択肢にたどり着くまでには、本当に長い年月がかかりました。

 

■ 生理は、我慢しなくてもいい。治療には、選択肢があります。

ここ数年、大人の女性に向けたピルなどの治療情報は増えてきました。
しかし、それでもまだ十分とは言えません。

 世界と日本の違い

日本では、経口避妊薬(ピル)の使用率はわずか約1~3%¹ ² 
対して、アメリカ(約11%)、フランス(約37%)、ドイツ(42%)¹など先進国では、はるかに高い使用率が報告されています。

ピルは避妊のためだけでなく、生理痛や過多月経、月経不順、貧血の予防など多くの医療的メリットがあります。

にもかかわらず、日本では「生理のつらさは我慢するしかない」「ピルは大人の薬」といったイメージ今が根強く残っています。
そうした環境の中では、こどもたちが適切な情報や治療にアクセスするのは非常に難しいのが現状です。


■ 生理で悩むすべての女性が「選択肢」を持てる社会に

フローレンスこどもと心クリニックでは、
「小学生からのピル外来(生理外来)」 を始めます。

「小学生がどんどんピルを飲むべきだ」――わたしたちは、そんなことを言いたいのではありません。

この名称に込めたのは、年齢に関わらず「誰でも相談できる」「治療の選択肢がある」ことを知ってほしいというメッセージです。

生理による痛みや過多月経などのつらさを、我慢しなくていい。
「困っている」と声に出していい。
それは、小学生も、大人も、みんな同じです。

 

 

■ 一緒に、最適な方法を考えます

わたしたちは、ピルだけでなく、漢方薬や鎮痛薬、生活指導など、幅広い治療の選択肢をご提案します。
必要に応じて、婦人科専門医との連携も行いながら、ひとりひとりの状態や希望に寄り添った支援を行っていきます。

 

 

■ 自分らしく生きるために、知識と選択肢をすべての女性に。

わたしたちは、こどもから大人まですべての女性が、
「生理とうまく付き合う知識」と「自分に合った選択肢」 をもてるよう
医療を通じてサポートします。

 


小学生からのピル外来(生理外来)

診療日:火曜 午前、水曜 午前/午後

 

担当:栗原医師

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<参考文献>

  1.  https://www.un.org/development/desa/pd/data/world-contraceptive-use

  2.  Contraceptive Use by Method 2019